2008年05月20日

【第21話】お金が無い!

結婚式速報新聞とドレスオーダーの2足のワラジで半年位経った頃、ついに資金的に行き詰まりました。

何せ急に勤めていた会社を放り出されたのですから、開業資金を貯め込んでいた訳でもなく生活費を食い潰して営業を続けている状態でした。

特にウェディングドレスは生地などの仕入れ費用がかさみます。

とても安い料金でオーダーを受けていましたので、収支トントンか赤字の時も多かったように思います。

なんとか資金を調達しないといけないと思ったのですが、何をどうすればいいのか、どこに行けばお金を貸してもらえるのか全く分かりませんでした。

そんな時にふと目に止まったのが地元の市役所が出している広報紙『広報ひらかた』。

その裏に小さくこんな事が書かれていました。

『大阪府起業家セミナー受講生募集中。修了者には大阪府スタートアップ資金に応募する資格が与えられます。』

その下にさらに小さく注意書きがありました。
『修了イコール融資を保証するものではありません』

注意書きは全く目に留まらず、このセミナーを受ければ融資が受けれる!と超自分勝手に解釈した私は早速、書かれていた電話番号に電話をかけました。

気楽に受けようと思って電話をかけたのですが聞くと、受けるための書類選考があるとの事でした。

毎回、大変な競争率らしいです。

自分のビジネスプランを規程の書類に書いて、それで書き足りなかったのでたくさん追加書類をつけて、自分のビジネスに対する思いのすべてを書面に書きました。

送ってすぐに大阪府の方から電話が掛かってきました。

「すばらしいビジネスプランです。ぜひ起業家セミナーを受けて下さい。」

後で良く考えるとビジネスプランの内容より書類の枚数の多さに
担当者の方が圧倒されて通ったような気がします^^;

「こいつを落としたら根に持たれそう」と思われたのではと本気で思っています^^

セミナーは2001年8月の最初の土曜日にスタートしました。

毎週土曜日、合計5回位のセミナーでした。朝から晩までみっちり商売を始めるためのノウハウを学びます。

30名の同期の方がいらっしゃいました。

100名以上の応募があったと聞きました。

セミナーの講師の方に「落ちた人の事を思って頑張れ」と言われた事を憶えています。

必死でした。講師の方のひと言ひと言を絶対聞き漏らすまい、と言う気持ちでした。

財務の話など自分は今までまったく縁が無く、知らない事ばかりでした。

勉強になったと同時に起業を志すたくさんの仲間にめぐり会えた事が自分にとってはすごく大きいものでした。
(第22話に続きます)
posted by まりんぼ at 15:36| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | (21〜25話)大きな転機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年06月20日

【第22話】チャレンジ!

起業家セミナーの最終回に全員が各々のビジネスプランを発表します。

その発表の中で特に優秀と認められたビジネスプラン発表者3名は来る9月に大阪国際会議場で行なわれる『ベンチャー2001KANSAI』で大勢のマスコミの前でプレゼンテーションが出来る機会が与えられると言う事でした。

自分なりに一生懸命考えました。

ウェディングドレスのオーダーとITを絡める事は出来ないかと考えました。来店しなくてもウェディングドレスのオーダーが出来る仕組みを考えました。
お客様の個別ページを作ってお客様が自分のページにアクセスすれば自分のドレスの進行状況を見る事が出来れば面白いな、と思いました。

今でこそ当たり前ですが当時はインターネットを駆使したビジネス、と言うだけで目新しいと言う認識が世間一般にありました。

ただそれだけでは弱いので『結婚式速報新聞』のビジネスも一緒にしてしまおうと考えました。

夫が主になって動いていた速報新聞ですが、ここまで来ればそんなものは関係ありません。目立つビジネスモデルにしないと勝てないと思いました。

必死で事業計画を作り、プレゼンの練習をしました。

起業家セミナーのビジネスプランの発表の日を迎えました。

外部の専門家の先生も審査員として来られてました。

その中でなんと私が優秀者3名の中のひとりに選ばれてしまいました。

起業家セミナーが縁で9月に大阪国際会議場で開かれる『ベンチャー2001KANSAI』でプレゼンテーションをする事になりました。
(第23話に続きます)







posted by まりんぼ at 16:15| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | (21〜25話)大きな転機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月20日

【第23話】はじめて作ったホームページ

起業家セミナーで教わった事のひとつに「これからの会社はホームページ位ないとダメだ」と言うのがありました。

単純な私は人の言う事は完全に真に受けます^^;

たいへんだ!たいへんだ!たくさんのマスコミが来るチャンスなのにホームページがない!作らなきゃ。

と思った私は生まれて初めてのホームページ作りにチャレンジしました。1年前、インドの服をネットで売ろうとして挫折しましたが、その時と比べて本気度は数段違っていたのだと思います。

【必死】な気持ちは色々な不可能を可能にします。奇跡も起きると思います。

作ろう!と思い立って実際のプレゼンテーションまで2週間もなかったと思います。

メールすらした事がない私が果たして出来るのだろうか?

と言う不安は実は有りませんでした^^;

この頃、何かにとりつかれたように必死でした。

何でもやれば出来る、と思っていたと思います。

『ホームページビルダー入門』と言う本を買って来ました。

今思い出しても赤面するようなド派手なホームページを作りました。

本当に1週間で10ページほどのホームページを仕上げてしまったのです。

完成したのはプレゼンテーションの2日前だったと思います。

滑り込みセーフで案内チラシにURLを入れてもらう事が出来ました。
(第24話に続きます)
posted by まりんぼ at 16:32| 大阪 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | (21〜25話)大きな転機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月23日

【第24話】舞い上がったプレゼンテーション

いよいよ『ベンチャー2001KANSAI』の当日です。

大阪国際会議場で開かれました。立派な建物にいきなり圧倒されてしまい、さらに人の多さにも圧倒されました。

プレゼンテーション会場もぎっしりの人です。完全に舞い上がってしまいました。

超早口になった私は予定時間の半分ほどで話が終わってしまいました。

次の発表者の方、主催者の方に大変なご迷惑をかけた事、今でも申し訳なく思っています。

大失敗のプレゼンテーションでしたが、これをきっかけにプレゼン度胸がついて今後何度も訪れる人前で話す機会には全くあがる事なく、時間も規程時間きっちりに終わる技を身につける事が出来ました。

数年後にこの時、聞いておられたマスコミの方の取材の申し込みがあったりして、失敗とは言え、その後あの時のプレゼンテーションのお陰で色々たくさん良いことがありました^^

最大のいい事が、この後訪れるベンチャー企業の登竜門である『テイクオフ21』の認定につながったと言う事だと思います。
ベンチャー2001が終わった後、起業家セミナーで教えてもらったある情報をふと思い出しました。

大阪府のベンチャー企業支援の制度のひとつに『テイクオフ大阪21』と言うのがある。

書類審査の後、プレゼンテーション等もあるがもし認定企業になれば色々な府の支援策が用意されている。

認定企業の中でも特に優秀と認められば100万〜400万円までの助成金が支給される。

と言うものです。

助成金、と言うのは融資と違って返さなくて良いお金です。

当たり前の事ですが^^;

100万円の利益を出すと言うのは本当に大変な事です。それがこの審査で認められればその金額が一度に入ってくる。

何度もいいますが返さなくて良いんです。

チャレンジしてみる価値のあるものだと思いました。
(第25話に続きます)




posted by まりんぼ at 16:37| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | (21〜25話)大きな転機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月27日

【第25話】甘くはない

しかし、実際に乗りかかってみるとこれ程大変な事だとは思いもしませんでした。

詳細な収支計画はもちろんの事、ビジネスモデル自体が斬新でITを使ったもので無くてはならない。

テーマは『結婚式速報新聞とインターネットを使ったウェディングドレスのオーダーメイド』と決まったのですが、書類の書き直しが何度も何度も入り、本当に途中で止めてしまおうかと思いました。

何度書いても通らない。細かいチェックが入る。

仕事もそろそろ忙しくなってきましたので時間的にもきつくなってきました。

もうやめます。と言いかけた事が何度もあります。

本当にやめてしまおうと思い、やめる前にある方に相談しました。

起業家セミナーでお世話になった大阪府の田中さんと言う方です。

その方に相談に行ったらひと言。「ダメもとで最後までやってみたら」

・・・そのひと言が本当に大きかったです。

冷静に考えてみたら、ここまで書類が出来ているのならダメ元で提出までしてしまおうと思うのが普通かも知れませんが当時の私はそんな事も分からない位追い詰められていました。

「ダメもとで最後までやってみたら」このひと言で再びやる気になった私は、頑張って膨大な書類を仕上げてまずは提出しました。

まずは第一関門の書類選考です。これが通らないと次の段階のプレゼンテーションには進めません。

(第26話に続きます)

posted by まりんぼ at 18:05| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | (21〜25話)大きな転機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする