2008年01月20日

【第18話】はじめての広告

地元の広告誌に3行だけのテキスト広告。1行1500円。その時の自分に出せる広告費はこれが精一杯でした。

『ウエディングドレスオーダー承ります。5万円から。』

15年間、デザイナーとして働いてきて色々なアイテムを経験してきましたが
ただひとつ、扱った事のないアイテムがウエディングドレス。

女性として生まれて、デザイナーとして仕事をしている以上はいつかは、ウエディングドレスを扱ってみたい。

そんな気持ちがずっとあったような気がします。せっかく勤め人のしがらみから解き放たれたのですからウェディングをやるなら今だと思っていました。

広告を出してお客様からの連絡を待つばかりとなりました。
(19話に続きます)

posted by まりんぼ at 11:59| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | (18〜20話)ウェディングに舵を切る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月20日

【第19話】はじめてのお客様

地元広告に広告を出してもそんなにすぐにお客さんが来てくれるはずもありません。

それでも何度か出しているうちに1本の電話が掛かってきました。

最初のお客様は堺の方でした。

お母様と彼と彼のお母様、4人でお見えになりました。初回のお客様が4人とはインパクト強過ぎますね(笑)

デザイナーとしてのキャリアはあってもウエディングドレスのデザイナーは経験が無いので内心ドキドキで接客したのを憶えています。

ドレスのサンプルも無いので自分の結婚式に作ったドレスを飾りました。デザイン古っ!ですが仕方がありません。

お客様を不安に思わせたらいけないと思い、顔は笑っていましたが心の中はドキドキ不安でいっぱいでした。^^

お好みをお伺いしながらお客様の目の前でデザイン画を描きました。デザイナーですのでデザイン画は描けます。

それを見ていた花嫁さんのお母様が「さすがやね〜、大したもんや!」とおっしゃったのを覚えています。

ウェディングドレスに対する専門知識も無い私ですが、お客様にはそれを感じさせてはいけません。

ウェディングの知識はありませんがオーダーで服を作ると言う事にかけては最初に勤めた会社で配属されたのが皇室の方のお洋服を作る部隊でしたのでオーダーの洋服を作る流れは身についています。

つとめて堂々と振舞いました。そうです、これぞ『見かけ倒し』です。

しかも自宅での営業です。生活感バリバリの中での仮縫い。

こんな私にドレスのオーダーを任せて頂いて、この第1回目のお客様がいらっしゃったから次につながって行ったのだと思うとこの時のお客様にはいくら感謝してもし切れません。

ドレスをお届けした後、弾んだ声で「届きましたよ!とっても素敵!」とお電話を頂いたあの時の嬉しさは一生忘れる事がないと思います。

広告に目を留めて下さった事に感謝。お電話をくださった事に感謝。お越し下さった事に感謝。
ドレスを作らせて下さった事に感謝です。

(20話に続きます)
posted by まりんぼ at 12:39| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | (18〜20話)ウェディングに舵を切る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月20日

【第20話】副業

全くひとりのデザイン工房ですのでデザイン画を描いてお客様にご提案→型紙→仮縫い→本縫製まで完全にひとりでやっていました。

でもドレスの注文は忘れた頃にしか入ってこない状況でしたのでまだ手があまっていました。

ドレスだけでは全然、仕事として成り立たないので色々な事をしていました。

ショップ名も「ウエディング工房てく・まりんぼ」では無く、「ビジュアル工房てく・まりんぼ」と言う名前でした。

外注で企業のパターン(型紙)を受けたり、夫が『結婚式速報新聞』と言う仕事をしていたりしていました。

『結婚式速報新聞』と言うのはこんな感じの新聞です。
速報新聞.jpg

式場にカラーレーザープリンターとパソコンを持ち込みます。

結婚式当日の模様を取材して記事にして披露宴のお開きの時ゲストの皆様に「号外です!」と言って配ります。

さっきまで自分が参加していた披露宴の模様が新聞になって手渡されるのでゲストの方の驚きは相当なものです。

A3サイズのフルカラー印刷。

時間との戦いでプリンターの調子が悪かったりしたらヒヤヒヤものです。

スリルあふれる仕事でした^^;






posted by まりんぼ at 13:19| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | (18〜20話)ウェディングに舵を切る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする