2015年03月29日

【第26話】師匠との出逢い

驚く事にテイクオフ大阪21の書類に通ってしまいました。

次はプレゼンテーションです。

色々な専門家の前で自分のビジネスモデルを発表します。

この先生方の判断で認定されるかされないか、助成金が頂けるか頂けないかが決まります。

2ヶ月前に国際会議場でのプレゼンの失敗を教訓に、『ゆっくり』『はっきり』話す事を心がけました。

何度も何度も練習を繰り返して時間ぴったりに終わる練習もしました。

この時の練習がその後、本当に役立ちました。会社を経営していると色んな人の前で話す機会が嫌でもあります。必ず規定時間ぴったりに終わると言うのがこの練習で特技と言えるものになっていました。

運命の日がやって来ました。

会場にかなり早く着いた私は会場の前で座って待っていました。

数人の方が同じ日にプレゼンするようです。すでに早い順番の人の発表は始まっていました。

隣にひとりの女性が座りました。

『私の前にプレゼンする人かな?』と思っていると向こうから声をかけて来られました。

女性「あなた、今日プレゼンする方?」

私「はい。そうです。」

女性「私、打間って言います。今日の審査員です。」

びっくりしました。

聞くとこの打間先生は神戸異人館でレストランやドレスショップを経営されていて異人館も所有されている大社長です。

異人館ウエディングを最初に始められた女性起業家のはしりのような方です。

本当は今日の審査会に来る予定では無かったけれどウエディングの人(私の事です)がひとり居るのでその人のプレゼンだけ聞くために来た、と言うお話でした。

他の審査委員は全員男性だし、ウェディングの事は良く分からないと思うから自分が行かなくっちゃと思って下さったようです。

予定時刻より早めに何でも行ってみるものです。

待ち時間の間、打間先生と色々なお話をさせて頂く事が出来ました。

その中で一番心に残っている会話です。↓

先生「あなた、お子さんいらっしゃるの?」

私「はい。3歳と1歳の子がいます」

先生「女性が子供を育てながら事業を続けていくコツはね、
   『頑張り過ぎない事』これに尽きますよ。」

今もこのお言葉を胸に刻んでいます。

いよいよ自分の番が来ました。

打間先生と一緒に会場に入りました。

しーんと静まり返った審査会場。

私は今までの思いのたけをすべてぶつけるような気持ちで発表しました。

打間先生の心に届け!と言う思いで。

私の話が終わったのと修了時刻のベルが鳴ったのがほぼ同時でした。

終わって「ありがとうございました。どうぞよろしくお願い致します」と言って会場を後にしようとした時の打間先生のひと言。

「あら、あなた。私と誕生日が一緒ね!!」

ニコニコ顔の打間先生がそこにいらっしゃいました。

しーんとしてピリピリした中、その大きなひと言で場の空気がさっと和んだのが分かりました。

嬉しかったです。自分の気持ちもピンと張り詰めている時、そんな温かいひと言が本当に嬉しくてたまらなかったです。

すぐに私は打間先生の方を向いて言いました。

「あっ、そうなんですか!光栄です!」同じくニコニコ顔で。

その瞬間、私は心の中で助成金はゲットした。と思いました。

何の根拠もないです。自信もないです。

でも「誕生日が一緒ね!」のひと言でなぜか確信に近くそう思ったのです。

不思議ですね。

家に戻った私は自分の声が全く出なくなっている事に気付きました。

自分では気が付かなかったのですが発表までのプレッシャーは相当なものがあったのかも知れません。

発表の次の日の朝、1本の電話が入りました。

テイクオフ大阪21の担当の方からです。

「原田さん、おめでとう!認定されたよ!しかも助成金も出るよ!」

その次の言葉がありがたかったです。

「打間先生以外の先生はみんな助成金を出すのには反対でした。
だけど打間先生がひとり頑張ってみんなを説得してましたよ」

打間先生に感謝の言葉もありません。

お礼を言って電話を切った後、異人館にいらっしゃる打間先生に電話をしました。

これも不思議な事なのですが、打間先生は全国を飛び回っていらっしゃるので異人館の事務所にいらっしゃる事はほとんど無いそうなんです。

それが電話をかけたすぐに打間先生が出られたのにも何か不思議なご縁を感じずには居られません。

声にならない声でお礼を言った私に返って来た言葉が

「あら、あなた何その声?でもそれだけ頑張ったって事よね」

最後に「これから頑張んなさいよ!」とおっしゃって頂けました。

こ時の「がんばんなさいよ!」の言葉があったから今まで頑張って来られたと思っています。

この時がウェディング工房てく・まりんぼの本格始動の瞬間だったと思います。
(第27話)

posted by まりんぼ at 13:26| 大阪 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | (26〜)本格始動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月27日

【第25話】甘くはない

しかし、実際に乗りかかってみるとこれ程大変な事だとは思いもしませんでした。

詳細な収支計画はもちろんの事、ビジネスモデル自体が斬新でITを使ったもので無くてはならない。

テーマは『結婚式速報新聞とインターネットを使ったウェディングドレスのオーダーメイド』と決まったのですが、書類の書き直しが何度も何度も入り、本当に途中で止めてしまおうかと思いました。

何度書いても通らない。細かいチェックが入る。

仕事もそろそろ忙しくなってきましたので時間的にもきつくなってきました。

もうやめます。と言いかけた事が何度もあります。

本当にやめてしまおうと思い、やめる前にある方に相談しました。

起業家セミナーでお世話になった大阪府の田中さんと言う方です。

その方に相談に行ったらひと言。「ダメもとで最後までやってみたら」

・・・そのひと言が本当に大きかったです。

冷静に考えてみたら、ここまで書類が出来ているのならダメ元で提出までしてしまおうと思うのが普通かも知れませんが当時の私はそんな事も分からない位追い詰められていました。

「ダメもとで最後までやってみたら」このひと言で再びやる気になった私は、頑張って膨大な書類を仕上げてまずは提出しました。

まずは第一関門の書類選考です。これが通らないと次の段階のプレゼンテーションには進めません。

(第26話に続きます)

posted by まりんぼ at 18:05| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | (21〜25話)大きな転機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月23日

【第24話】舞い上がったプレゼンテーション

いよいよ『ベンチャー2001KANSAI』の当日です。

大阪国際会議場で開かれました。立派な建物にいきなり圧倒されてしまい、さらに人の多さにも圧倒されました。

プレゼンテーション会場もぎっしりの人です。完全に舞い上がってしまいました。

超早口になった私は予定時間の半分ほどで話が終わってしまいました。

次の発表者の方、主催者の方に大変なご迷惑をかけた事、今でも申し訳なく思っています。

大失敗のプレゼンテーションでしたが、これをきっかけにプレゼン度胸がついて今後何度も訪れる人前で話す機会には全くあがる事なく、時間も規程時間きっちりに終わる技を身につける事が出来ました。

数年後にこの時、聞いておられたマスコミの方の取材の申し込みがあったりして、失敗とは言え、その後あの時のプレゼンテーションのお陰で色々たくさん良いことがありました^^

最大のいい事が、この後訪れるベンチャー企業の登竜門である『テイクオフ21』の認定につながったと言う事だと思います。
ベンチャー2001が終わった後、起業家セミナーで教えてもらったある情報をふと思い出しました。

大阪府のベンチャー企業支援の制度のひとつに『テイクオフ大阪21』と言うのがある。

書類審査の後、プレゼンテーション等もあるがもし認定企業になれば色々な府の支援策が用意されている。

認定企業の中でも特に優秀と認められば100万〜400万円までの助成金が支給される。

と言うものです。

助成金、と言うのは融資と違って返さなくて良いお金です。

当たり前の事ですが^^;

100万円の利益を出すと言うのは本当に大変な事です。それがこの審査で認められればその金額が一度に入ってくる。

何度もいいますが返さなくて良いんです。

チャレンジしてみる価値のあるものだと思いました。
(第25話に続きます)




posted by まりんぼ at 16:37| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | (21〜25話)大きな転機 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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